ALLOWABLE STRESS CALCULATION

木造の許容応力度計算とは
何を確認し、どこで意匠へ影響するのか

許容応力度計算は、単に耐震等級を確認するための計算ではありません。建物に作用する荷重を整理し、梁・柱・耐力壁・水平構面・接合部などが必要な性能を満たすかを確認します。

このページでは、木造軸組工法の許容応力度計算で確認する内容と、計算を始める前に意匠側で整理しておきたい条件をまとめています。

荷重固定荷重・積載荷重等を整理
鉛直部材梁・柱の安全性を確認
水平抵抗耐力壁・床構面を確認
接合部柱脚・柱頭・接合部を確認

建物に作用する力を、屋根から基礎へつながる構造として確認します

許容応力度計算では、部材を個別に確認するだけでなく、荷重がどの部材を通って伝わるかを整理する必要があります。意匠上は同じ間取りでも、梁組・柱位置・耐力壁位置・吹抜けの有無によって構造上の成立条件は変わります。

01

スパンと荷重をもとに、曲げ・せん断・たわみ等を確認します。必要梁成が意匠へ影響することがあります。

02

上階から伝わる軸力や柱の長さ等を踏まえて、必要な断面・配置を確認します。

03

耐力壁

必要耐力だけでなく、配置バランスや上下階の関係を確認し、水平力を負担できる計画にします。

04

水平構面

屋根・床から耐力壁へ水平力を伝えられるかを確認します。吹抜けや大開口では特に重要です。

部材が成立していても、接合部まで力を伝えられなければ構造は完結しません

梁・柱・耐力壁の検討結果は、柱頭・柱脚や梁端部等の接合部へつながります。高耐力の耐力壁を配置すると、接合部に必要な耐力も大きくなるため、金物や納まりまで含めて確認する必要があります。

柱頭・柱脚

耐力壁端部に生じる引抜力等を確認し、必要な接合方法を整理します。

梁端・継手

梁に生じる力を柱や次の部材へ伝えるため、接合条件と架構計画を確認します。

上下階の連続性

耐力壁や柱の位置が上下でずれる場合、梁や床構面を介した力の伝達を確認します。

基礎への伝達

上部構造の反力は最終的に基礎へ伝わります。基礎検討を含む場合は、その反力を基礎計画へ反映します。

計算結果が意匠へ戻りやすい箇所を、先に把握しておく

大開口

耐力壁を配置できる範囲が限られ、梁スパンや柱位置にも影響しやすい条件です。

吹抜け

床構面が連続しないため、水平力の伝達経路と周辺梁・耐力壁の関係を整理します。

大スパン

梁成が大きくなりやすく、天井高さ・サッシ上端・設備経路との調整が必要になる場合があります。

上下階のずれ

柱・耐力壁が上下で揃わない場合、梁への負担や水平力の伝達方法を確認します。

構造上の制約が出そうな箇所が分かっている場合は、意匠を完全に確定する前に確認することで、後から大きく戻る箇所を減らしやすくなります。

入力条件が曖昧なまま計算を始めると、後の変更が再計算につながります

計算開始時には、意匠図だけでなく、構造性能や建物仕様に関する条件も必要です。未確定のものは未確定として整理し、どこまでを前提条件にするかを共有します。

平面・立面・断面建物形状、開口、階高、吹抜け、屋根形状等を確認
耐震・耐風条件求める性能条件を確認
屋根・床・外壁仕様固定荷重等の設定に使用
用途・積載条件各部の使用条件に応じて荷重を整理
プレカット図既存の梁組がある場合は整合を確認
変更しにくい条件天井高さ、サッシ、設備、柱を置けない位置等を共有

計算結果を、実際の図面と施工条件へ反映する工程が残ります

許容応力度計算が成立した後も、必要梁成、耐力壁位置、柱、接合部などを構造図やプレカットへ反映する必要があります。計算のみを外注する場合は、この反映作業を誰が担当するかを決めておくことが重要です。

  • 梁成の反映伏図・断面・プレカットへ必要寸法を反映
  • 耐力壁の反映壁種・位置・上下階の関係を図面へ反映
  • 接合部の反映必要金物・接合条件を図面へ整理
  • 基礎への反力基礎検討を別担当が行う場合は上部結果を引き継ぐ
構造図作成で確認する内容を見る

建物上部の許容応力度計算のみでも、構造図まで一連でも依頼できます

KouzouDeskでは、意匠計画中の構造確認を含む建物上部の許容応力度計算と、基礎検討・構造図作成までを含む依頼形態を用意しています。必要な業務範囲に合わせてご相談ください。

サービス範囲と料金を確認する

トップページに2つの依頼形態と業務範囲をまとめています。

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許容応力度計算についてよくある確認事項

意匠図が確定する前でも許容応力度計算を依頼できますか?

ご相談可能です。現時点の条件を前提に検討し、変更の可能性が高い箇所を整理して進めます。後の意匠変更によって再検討が必要になる場合があります。

計算結果によって梁成や耐力壁位置が変わることはありますか?

あります。スパン、荷重、開口、上下階の構成等によって必要梁成や耐力壁配置を調整する場合があります。

構造計算書だけ受け取れば構造図は不要ですか?

計算結果を施工やプレカットへ反映するため、構造条件を図面へ整理する工程が必要です。構造図を依頼元で作成する場合は、計算結果との整合確認が重要です。

基礎も許容応力度計算の依頼に含まれますか?

KouzouDeskの「建物上部の構造計算」では基礎検討を含みません。基礎検討まで必要な場合は「構造計算+構造図作成」の依頼範囲をご確認ください。

KouzouDesk全体のFAQを見る

あわせて確認したい木造構造設計の実務情報

許容応力度計算の前後で関係する、外注範囲・構造図・基礎検討の考え方をまとめています。

木造構造図作成

計算結果を伏図・軸組図・金物図・基礎図へ反映し、意匠やプレカットと整合させるポイントを整理しています。

木造構造図作成の内容を見る

木造住宅の基礎検討

地盤資料、接地圧、基礎梁、底盤など、上部反力を地盤へ伝える基礎計画の確認ポイントを整理しています。

木造住宅の基礎検討を見る

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計画段階からでも、
必要な構造条件を整理してご相談いただけます。